シャント外来

シャント外来とは、人工透析に必要な「シャント」(血管の通路)のトラブル(狭窄、閉塞、感染、瘤など)の診断・治療、および新規シャント作成・管理を行う専門外来です。
当院では、透析に必要なシャントを良好な状態で維持するため、日常的なシャント管理からシャント手術まで一貫した対応を行っています。
透析患者さんの生命線ともいえるシャントを、超音波検査(エコー)などで診察し、PTA(血管拡張術)や外科手術などで早期に改善させ、シャントの長期的な維持を目指します。
必要な場合には、シャント手術にも対応しており、患者さまの負担をできるだけ抑えた治療を心がけています。
なぜシャント治療が必要か
シャントを作製・治療する最大の理由は、透析治療に必要な大量の血液を、安定して安全に取り出すためです。
透析では、十分な血液量を体外に取り出す必要があるため、通常の血管では対応できません。
通常の静脈では、透析に必要な血液量(毎分200ml程度)を確保することが難しく、血管もすぐに潰れてしまいます。
そのため、手術で動脈と静脈をつなぎ、静脈に勢いよく血液が流れるようにしたものが「シャント」です。
シャントは透析を続ける上で不可欠であり、トラブルが起きると透析自体ができなくなる可能性があるため、専門医による早期の診断と治療が重要です。
日頃の自己管理に加え、定期的なシャント外来でのチェックがシャントの寿命を延ばし、安全な透析生活を支えます。
シャント管理について

当院では、シャントを長持ちさせるため、専門スタッフによる徹底したシャント管理を行っています。
シャントのトラブル(狭窄や閉塞)を未然に防ぎ、日々の透析を安全に行えるようサポートいたします。
当院のシャント管理の特徴
VA(シャント)センターとしての機能
シャントの状態を熟知した当院の専門スタッフが、定期的なエコー検査で血管のわずかな変化も見逃しません。
エコー(超音波検査)を用いた管理は、視診・触診・聴診といった従来の「理学的所見」では分からない血管内部の状態を可視化できるため、シャントの寿命を延ばすために非常に重要です。
早期発見・早期対応
異常の芽を早く摘むことで、大きな手術や入院のリスクを減らし、安心して透析を続けられる環境を守ります。
早期に対処することで、透析に必要な血流量を安定して確保でき、老廃物の除去効率を維持できます。
また血管が完全に詰まる前の「狭窄(狭くなった状態)」で見つければ、シャント血管内治療(VAIVT)により短時間かつ低侵襲で血流を回復できます。
完全に閉塞した後の血栓除去術やシャント再建術に比べ、体への負担も大幅に少なくなります。
治療の継続性
シャントの寿命を延ばすことは、生涯にわたる透析治療をよりスムーズに継続するために不可欠です。
シャントの状態は一人ひとり異なるため、継続的に観察することでその人にとっての異常をいち早く察知できます。
適切なメンテナンスを継続することで、一つのシャントを5年、10年と長持ちさせることが期待でき、これは将来的に新しいシャントを作るための血管を残しておくことに直結します。
シャント治療について

一度、作成したシャントは何年も使用し続けることになります。
しかし長年使用していく中で原因は様々ですが、動脈と静脈の繋ぎ目が狭くなったりシャント血管が閉塞してしまったりと、どうしても経年的にシャントの不具合が出てくることがあります。
シャントの狭窄や閉塞が起きると、透析治療ができなくなったり、治療時間が長引いたりしてしまいます。
こういった事態になった場合はシャント血管内治療(VAIVT)という治療を行い、シャントを修復させていきます。
シャント血管内治療(VAIVT)について
シャントや人工血管の狭くなったりつまったりした部分を血管内から風船で拡張することでシャントや人工血管を改善する手術です。
局所麻酔をした上で、シャントや人工血管に「シース」という通常の血液透析で使用するものと同程度の太さの針を刺します。シースから狭くなっている部分にカテーテルをすすめ、バルーンカテーテル(風船)によって異常がある部位を血管の内側から広げます。
当院のシャント治療の特徴
痛みを抑える徹底した工夫
局所麻酔の打ち方から、必要に応じた静脈麻酔の併用まで、患者様の不安や痛みの感度に合わせた最適な鎮痛法を選択します。
「怖くない」治療環境
専門資格を持つスタッフが常にそばに寄り添い、バイタルサインや表情を確認しながら、声掛けを絶やさず治療を進めます。
精神的な負担も最小限に
痛みが少ないことは、治療へのハードルを下げます。
早期に治療を受けられるようになることで、結果としてシャントをより長持ちさせることにつながります。
血液透析患者様にとって、シャント血管内治療は避けられないものですが、痛みを伴うという不安も大きい処置です。
当院では、「VAIVTは痛くて怖い」という患者様の不安に寄り添い、痛みと精神的苦痛を最小限に抑える治療に取り組んでいます。

